訪日集客コラム
外国人観光客がもっとも困ったことは飲食店⁉︎お店の対策方法とは
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楽しい海外旅行ですが、慣れない国にいると言語や文化の違いから予期せぬトラブルや困った出来事に遭遇してしまうこともあるかと思います。
訪日客は日本を旅行した際に、どのような場所・場面で不便さを感じたり困ったりした経験があるのでしょうか。
この記事のポイント
外国人観光客が日本旅行中に困った場所とは
平成28年度に観光庁が、外国人観光客が日本旅行中「多言語表示・コミュニケーションで困った場所」を調査した結果、上位5箇所は以下の通りとなりました。
飲食店 | 28.5% |
鉄道駅 | 17.4% |
小売店 | 16.2% |
城郭・神社・仏閣 | 9.8% |
宿泊施設 | 5.4% |
困った経験が多いのは、驚くことに観光地ではなく、約3割もの訪日客が飲食店でと答えています。飲食店利用時に、「多言語表示・コミュニケーションで困った場面」を同様に観光庁が調査した結果、上位5回答は以下のとおりとなりました。
料理を選ぶ・注文する際 | 65.8% |
飲食店を見つける際 | 32.9% |
食べ方の説明を受ける際 | 32.2% |
席へ案内される際 | 8.4% |
会計の際 | 8.3% |
「料理を選ぶ際・注文する際」に半数以上の訪日客が困った経験があることになりますが、これらは主に外国人観光客が注文の際にオーダーが伝わったのか不安になると言えます。
私たち日本人も、海外旅行中メニューに不慣れな外国語の文字しか記載されておらず、何を注文したら良いのか困った経験を持つ方も多いのではないでしょうか。
日本の飲食店における外国人観光客の対応は何が不足しているのか
最低限英語のメニューがあれば良いのですが、そもそもメニューに外国語表記や説明がなかったり、使用している食材が掲載されていなかったりする飲食店はまだまだ多いようです。
特に使用食材に関しての記載については、例えばアレルギーを持つ方が不安を感じるだけでなく、宗教上の理由等から食べることの出来ない食材がある外国人の方々もいるため、使用食材を記載している店舗には、安心感から来店を決めるようです。
最近は「菜食主義者」(「ベジタリアン」や「ヴィーガン」など)といった言葉を聞く機会も増えてきましたが、欧米だけでなくもちろんアジア圏にもこのような食生活習慣をおくる方々はいらっしゃいます。
「ベジタリアン」と聞くと、おおまかに肉・魚類を食べず野菜のみの食生活とイメージする方も多いでしょうが、意外にも細かく食べられるもの・食べられないものが区別されています。イスラム教・ヒンドゥー教などの宗教によるものも同様です。
海外のメニュー表は英語で材料と調理法が記載されていることが多く、文化の違いを体感された方も多いのではないでしょうか。
おすすめの対応策は…
- ホームページやスマホのメニュー掲載情報に使用食材を追加する
- 複雑なメニューなどを避け、クチコミなどから外国人観光客向けのメニューに絞る
- メニューに番号を振り、指差しオーダーが出来るなど、訪日客・店員共に認識相違が生じないようにする
- ベジタリアン/ヴィーガン向けの誰でも安心して食べられる野菜メニューを用意する
- 使用食材は、分かりやすいイラストシールなどをメニューに貼り付ける
上記のように、準備しておくことで言葉が通じなくても提供できる工夫があります。
特に写真と素材の掲載については、お店の方に聞いたり調べたりしなくてもどのような料理なのかイメージすることができます。素材の翻訳と掲載であれば文章の必要はないので準備もできる範囲ではないでしょうか。
利用する飲食店を決める段階であっても、これらの情報がホームページ等に掲載されていれば大きな判断基準になると言えます。
日本の文化と仕組みにおける伝達ミスとは
よく聞く伝達ミスは、
・「お通し」の提供(注文はしていなくても有料)
・テーブル会計ができない
・クレジットカードの使用ができない
といった、事前の伝達不足で外国人観光客は困惑しているようです。
おすすめの対策は…
- 旅前、旅中、来店中でもお店のルールが伝わるようにホームページ上に記載
- 来店時にそのページを見せるまたは印刷したものを用意し、現場負担も軽減しながら、ミスコミュニケーションを防ぐ
- ウォークインチケットサービスなどの事前決済やキャッシュレスサービスを活用する
外国人観光客をさらに集客したいということであれば、伝達ミスを回避する伝え方や上記のようにツールの活用も必要です。
また、国別の食べ物や飲み物についての好みも参考にしておくと、利用のしやすさから選ばれる傾向にあります。
中国人に好まれる食べ物や飲み物
- 量/品数は多目、ビュッフェが好まれる
- スープ類/食後のデザートが好まれる
- 調味料を卓上に置いておく
- 温かい飲み物が好まれ、冷たい飲み物は好まれない
中国人旅行客の特徴を活かした今後のインバウンド集客に向けて
中国は、旅行前に「大衆点評」から利用する施設・店舗に関する情報収集を行う方が非常に多い、という特徴があります。
さらに、そのクチコミを見て人気が高い店に行きたがる人が多い傾向にあります。
日本の独自文化を楽しみたい外国人観光客が、不安なく堪能できるようにオンラインツールの活用をお勧めします。
外国人観光客が利用しやすい店として良いクチコミも集まり、より集客効果が期待できますね。
この記事のまとめ
- 約3割もの訪日外国人が日本の飲食店で困った経験を持っている
- 飲食店のメニュー表記の工夫でインバウンド対策が可能
- 集客対象の好み、考え方を知ることで誘客できる
- ウケるメニューはクチコミからもわかってくる