訪日集客コラム
訪日中国人がなぜ同じ店に集中して爆買いをするのか
- 訪日集客コラム
この記事のポイント
- 日本での中国人観光客による「爆買い」
- なぜ日本で「爆買い」を行うのか
- 品やサービスはどのように選ばれている?
日本での中国人観光客による「爆買い」
数年前から、中国人観光客による日本での「爆買い」という言葉を耳にするようになりました。
「爆買い」というと、高級ブランド店でたくさんのブランド品を購入する姿や、大きな家電製品をいくつも購入している様子のイメージが強いかもしれません。
空港では日本製の炊飯器が入ったダンボールを何個も積み上げて移動する姿を見て驚かされることもありました。
最近では「爆買い」が話題となることも減り、以前よりは落ち着いてきたように感じます。
それでも、ドラッグストアに免税専用のレジが設置され、化粧品や薬、お菓子などの日用品を大量に購入する姿は今でもよく見かけます。
さらに、「爆買い」を行う店は同じ店に集中しているという傾向もあります。
もちろん海外旅行の目的は買い物だけではありませんが、せっかく来たのだからとついつい買い物をしすぎたり、友人や家族に渡すお土産を買い込んだりすることは私たち日本人もよくありますね。
欧米からの観光客は、景観を目的に旅行されている方が多いようですが、中国人観光客の多くは、宿泊・飲食・買い物などの基本消費を目的に訪日されています。
「爆買い」はまさに中国人観光客の中で起きた現象といえます。訪日旅行中、何にお金を使っているかというデータで見ても、その大半が「買い物代」と「飲食費」で占められています。
2017年 費目別の1人当たりの旅行消費額
なぜ日本で「爆買い」を行うのか
その中でも、なぜ日本で中国人観光客は「爆買い」を行うのでしょうか。
大きな理由としては、やはり日本製商品のイメージとして品質と信頼性の高さがあります。
主な爆買いの対象としては、菓子類はもちろんのこと、ドラックストア商品、日本企業のオリジナル製品、衣類などが挙げられます。
同じような商品が自分の国で買えるとしても、より高品質で、偽物である心配も少なく、免税や物価の違いから安く購入できるとなったら外国に出向いてでも買いたいというのも納得です。
特に日本の免税ブランド品は中国より安いため、高級商品も人気です。
日本人の私たちでさえも、「日本製」と書かれた商品の方がなんとなく安心できるからと、商品購入時の選択肢に影響を受けています。
「爆買い」する商品やサービスはどのように選ばれているのか
では日本で「爆買い」をすると言っても、利用する飲食店や購入する商品などはどのように選択され、なぜ同じ店に集中するという傾向があるのでしょうか。
日本では、どこにランチを食べにいこう、どの化粧品を買おうかと迷った時、まずインターネット検索やSNS検索を利用して利用者の口コミ・写真を参考にする、という方が非常に多く見られます。
飲食店や化粧品、家電など各ジャンルに特化した大手口コミサイトも多く存在しているため、うまく使い分けをしながら情報収集を行います。
利用者の口コミから得られたリアルなメリット・デメリットの情報は、私たちの購買意欲に非常に大きな影響を与えています。
同様に中国でも、日本以上に口コミサイトが利用されています。
「大衆点評」という中国最大の総合クチコミサイトです。
グルメだけでなく映画や美容、子育て、ホテル、体験施設などそのジャンルは非常に多岐にわたっており、国内シェアは85%以上と言われています。
「大衆点評」に掲載されている小売店ページの商品クチコミは投稿も多く、旅行前のいわゆる”旅マエ”から購入を検討し、訪日中国人の来店集中店舗になる傾向があります。
ただ口コミを参考にするだけでなく、その口コミを参考に選んだサービスが販売されており事前に予約・決済できるといった便利さもあり、「爆買い」を目的のひとつとして日本を訪れる中国人観光客へのアプローチとしては非常に効果的なツールとなっています。
この記事のまとめ
- 海外旅行先の良い商品を買い求めるのは万国共通
- 日本製商品のイメージとして品質と信頼性の高さ
- “旅マエ”からクチコミを見て購入を検討している