訪日集客コラム
【2023年】中国の連休と、コロナ禍でも今後に向けた集客対策を継続するには?
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日本ではお正月やゴールデンウィーク、お盆の時期は大型連休となるため、新幹線や飛行機などの混雑状況が連日TVで報道されています。コロナ禍にあるため、今はまだまだ移動を控える方も多くいます。
一方で、感染対策をしながら帰省や国内旅行を楽しもうという方々にとっては、密を避けるためこれまで以上に混雑情報を調べる機会が増えているのではないでしょうか。中国でも同様に連休中の過ごし方に向けて、情報収集し準備する方が多くいます。
新型コロナウイルス感染拡大前より、店舗さまから「閑散期対策として訪日中国人を集客したい」と相談されることも多くありましたが、中国と日本では公式休日の種類やその期間に色々と違いがあります。
2023年、中国の公式休日はいつ?
下記の公式休日一覧を見ると、「春節」と「国慶節」が1週間の長期休暇となっています。中でも、「春節」は既に日本でも有名ですね。
2023年:中国の公式休日/祝日
- 12月31日〜1月2日 元旦(法定祝日:1月1日)
- 1月21日〜1月27日 春節(法定祝日:1月22日)※閑散期対策におすすめ
- 4月5日 清明節(法定祝日:4月5日)
- 4月30日〜5月4日 労働節(法定祝日:5月1日)
- 6月22日〜6月24日 端午節(法定祝日:6月22日)
- 9月29日〜10月6日 中秋節(法定祝日:9月29日)
- 9月29日〜10月6日 国慶節(法定祝日:10月1日)※閑散期対策におすすめ
ただし、連休の日程や期間は毎年違うため注意が必要です。中国では、7つの法定祝日(元旦、春節、清明節、労働節、端午節、中秋節、国慶節)を基準に中国国務院により決められた連休日程や、それに伴う振替出勤日などが毎年前年11月に公式発表されることとなっています。
コロナ禍以前の集客プロモーションと今後のプロモーション継続について
本来であれば、国内で閑散期になりがちな、2月の「春節」と10月の「国慶節」に、より多くの中国人観光客に利用してもらうために、国内で実施される正月や夏休み施策の露出と同じタイミングで中華圏へのプロモーションを行うことをおすすめしていました。
というのも、中国人が日本旅行を決めるリードタイム(予約確定までの期間)が15〜30日前に集中しているため、2月に日本旅行を決めるのは1月初旬〜中旬、10月の旅行は9月初旬〜中旬になります。
先ほどのインバウンドプロモーションのタイミングが、国内集客の繁忙期と重なるので、閑散期の対策や訪日集客が後手になるケースを多々見受けられます。
しかし、まだ海外旅行の制限がある国もあるため、これまでのような時期を限定してのプロモーションではなく、感染拡大収束後に期待できる訪日集客を見越して、継続して日本の魅力を伝えていくべき時期と言えます。
日本観光のプロモーションにこの時期を有効活用するためにも、訪日旅行に興味を持っている中国人にどのように日本観光の情報を提供していくかも重要となってきます。
特に、SNS(Instagram、Facebook、Twitterなど)や検索エンジンは中国国内では政府によるアクセス規制のため利用することが出来ません。それぞれ中国特有のサービスが使われています。また、日本サーバーにあるサイトを中国語に翻訳しても中国国内では表示されません。
中国での「インフルエンサー」の活躍と「ライブコマース」の普及について
では、どのようにして直接中国国内に向けてプロモーションを行えば良いのでしょうか。
そのためには、中国国内における「インフルエンサー」の活躍や、「ライブコマース」の普及についても知っておく必要があります。
日本でもSNSの普及と共によく耳にするようになった「インフルエンサー」という言葉ですが、中国でのインフルエンサーは「KOL(キー・オピニオン・リーダー)」と呼称されています。
SNSで何百万から何千万ものフォロワーを抱えるKOLも多く、中国人ユーザーにアプローチする上で、このKOLと呼ばれる個人が配信するSNSでのクチコミ投稿の信頼性とその影響力はとても高いと言われています。
また、KOLのファン層を「KOC(キー・オピニオン・カスタマー)」と呼ぶことが多く、KOLを中心に配信を拡散促進するため、KOLとKOCは一連のプロモーション手法になっています。
※過去記事リンク「中国ではなぜインフルエンサーの影響が強いのか(KOL/KOCとは)」では、KOLによって発信された情報の信頼性がなぜ高いのかについてもご紹介しています。
そして、「ライブコマース」ですが、ライブ動画とEC(Eコマース、ネット上で物を売買することの総称)が組み合わされた販売手法のことを言います。
中国では、「ライブコマース」が広く普及されており、買い物の手段として一般的なものとなっています。2018年時点で既に、市場は約44億ドル(約4,747億円)と発表されているほど非常に大きな市場となっています。
主にファッション、美容関連、生鮮食品の販売が人気カテゴリーであるようです。
中国のライブコマースでも、主に有名人が出演しますが、中でも、KOL(インフルエンサー)がとても活躍しています。
インフルエンサーが商品をPRすることで、元々商品に興味のある層だけでなく、そのインフルエンサーが抱える多くのフォロワーやファンまでもが配信を見るため、PR効果がより高まります。
※過去記事リンク「今後活用すべき「ライブコマース」とは?コロナ禍で新しい販売形態に注目集まる!」
最近では日本でも個人が旅行の記録や飲食店で食べた料理、購入してよかった商品などをSNS上に配信することが多く、検索機能を利用してそれらの情報をお出かけや買い物の参考にすることも多くなりましたが、中国ではアクセス規制という背景もあり更に個人配信の情報の影響力が強くなったと考えられます。
長引くコロナ禍でこれまでのように海外旅行が出来ないとは言え、全国的な渡航制限が解除された日に向けて旅行の情報収集はこれまで通り楽しむことが出来ます。
その他にも、現在国土交通省を中心に、日本での「MaaS(マース:Mobility as a Service)」の導入が推進されています。
「MaaS」とはIT技術により人々が様々な交通手段を簡単にシームレスに利用できるようになるためのサービスのことを言います。具体的には出発地から目的地までの「検索」「予約「決済」がひとつのサービスとして提供され、一括で行うことが出来るようになります。
最終的には移動手段だけではなく、「観光」「体験」「物流」「医療・福祉」「小売」といった移動目的とも一体化することで、移動の利便性向上と地域の課題解決にも繋げようというものです。
※過去記事リンク「あらゆる公共交通機関を、ITでシームレスに結びつける。日本型「MaaS」とは!?」では、「MaaS」ついてより詳細をご紹介しています。
現状様々な企業で日本における「MaaS」サービスを推進、普及させようと進めており、一部の地域で実証実験が始まっていたりもします。利用者はMaaSによって提案されたプランでお得に公共交通機関を利用できたり、目的地での新たな過ごし方(観光プランや飲食など)が出来たりといった多くのメリットも期待できるため、特に訪日外国人観光客にとっても非常に便利なものとなりそうです。
「MaaS」の導入推進はあくまでも一例ですが、これも自由な海外旅行が出来るようになった時に向けて日本旅行をアピールできる材料のひとつになるかもしれません。
コロナ禍である今の期間を活用し、中国人ユーザーにより直接的に情報を届ける方法を知り、継続して様々な日本の魅力を伝えていきましょう。
この記事のまとめ
・日本の閑散期に中国の祝日が多い。
・コロナ禍以前のように時期を限定してのプロモーションではなく、今は感染拡大収束後を見越して、継続して日本の魅力を伝えていくべき時期。
・中国人ユーザーにより直接的に情報を届けるには、中国での「インフルエンサー」の活躍や「ライブコマース」の普及について知る必要がある。